東京地方裁判所 平成6年(ワ)5349号 判決 1994年12月27日
原告 野村隆秋
被告 藤崎忠男
藤崎幸子
皆川建設株式会社
右代表者代表取締役 皆川利久
右訴訟代理人弁護士 大星賞
直井俊
主文
一 被告藤崎忠男及び同藤崎幸子は、原告に対し、別紙物件目録≪省略≫一記載の建物を収去して同目録二記載の土地を明け渡し、かつ、平成六年三月九日から右土地明渡済みまで一か月金二万四四一〇円の割合による金員を支払え。
二 被告皆川建設株式会社は、原告に対し、別紙物件目録一記載の建物から退去して同目録二記載の土地を明け渡せ。
三 訴訟費用は被告らの負担とする。
四 この判決は仮に執行することができる。
理由
一 被告藤崎らは、請求原因事実を明らかに争わないものと認め、これを自白したものとみなす。
二 被告会社に対する請求について
1 請求原因1ないし4の事実については、当事者に争いがない。
2 被告会社は本件土地につき留置権を主張するが、被告会社の主張事実が全部認められるとしても、被告会社の留置権は、被告藤崎らに対する請負工事残代金二二〇〇万円を被担保債権として本件建物について成立するものであり、右留置権の効力は本件土地に及ぶものではない。
3 したがって、本件建物についての留置権がその敷地たる本件土地に及ぶことを前提とする被告会社の抗弁は失当である。
三 以上の事実に照らすと、原告の本件請求はいずれも理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担について民事訴訟法第八九条、第九三条第一項本文を、仮執行の宣言につき同法第一九六条第一項をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 魚住庸夫)